由良先輩はふしだら


勝地は「おま、バームクーヘンって……なんてものお見舞いに持ってくんだよ」と言いながら、立ち上がってキッチンへと向かった。


立ったらダメなのに、安静にしてなきゃ。


「私がやるよ!飲み物!」


「お前みたいに抜けたやつに任せたら絶対割られそうだからいい」


勝地はテキパキと飲み物を用意して、リビングの方に持ってきた。


「あ、ありがとう、ごめん」


「小柴が謝るとか気持ち悪いからやめた方がいいぞ」


「うっ、人が心配してきたのに、なんでそんな態度なのかね!もう少し弱ってる貴重な勝地が見られるかと思ってきたのにっ」


もらったお茶をゴクンと一口飲んでから、買ったバームクーヘンの袋を開けて、パクンと食べる。


「俺に買ったんじゃねーのか」


「ふんっ」


あと3つは余ってるんだから、いいじゃないか。


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