由良先輩はふしだら


後ろから、聞き覚えのある楽しそうな声がしたので、勝地に肩を掴まれたまま、恐る恐る振り返る。


「ひ、日高先輩……と、ゆ、由良先輩?!」


一番に目の前に見えた日高先輩にも驚いたけれど。
その横には、大好きな大好きな4日ぶりの由良先輩が立っているではありませんか!!


「わっ!由良先輩!お、おはようござります!」


嬉しさで、日本語がおかしくなってしまう。


「うん、おはよう美子。久しぶり。それよりその格好いつまでしてるつもりなの?」


優しく爽やかな笑顔を見せて挨拶してくれた先輩!と思ったら、後半、目が笑っていない。


あっ!


「いや、これは、あの!勝地が怪我してて、教室まで肩貸せとか言い出して、私は断ったんだけど、その、」


「お久しぶりです、広真先輩」


勝地は由良先輩にそう挨拶しながら、私の身体からやっと手を離してくれた。


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