由良先輩はふしだら
「そんな怒られても困りますよ。彼女の方から言い寄って来たわけですし」
「言い寄った?!ちょっと、勝地さっきから誤解を招く言い方ばっかりしないでよ!ほんっと性格悪いったらありゃしない!先輩!こんな奴の言うことなんて信じないでくださいね!私はいつだって、先輩一筋……」
「美子、正直に答えて?」
「はっ、」
久しぶりの先輩と、楽しい楽しい学校生活の再開の予定だったのに。
先輩、優しく微笑んでいるけれど、明らかに目が笑っていないし、隣の日高先輩は、肩を揺らして声を我慢しながらどう見ても笑っているし。
なんて朝なんだ。
「……い、行きました、その、休んでる間のノートとか、その、怪我のことも心配でしたし……」
ポツリポツリと、目をそらしながら説明する。
何もやましいことはしていない。