由良先輩はふしだら
「それに比べて美子は……あんなに俺と愛菜が修学旅行行くことに不機嫌になっといて自分は……っていうか、何?遥とそんなに仲良かったの?聞いてないんだけど?」
今日の先輩は、実によくしゃべる。
不機嫌だけど、なんかちょっと可愛くて。
いや、今回の状況、私が悪いのは十分わかっているんだけど。
「先輩、それって……ヤキモチ、ですか?」
思わず、ニヤニヤしちゃいそうになる口元を抑える。
「……っ、はぁ?」
そう大きな声を出した先輩が口をつぐむ。
あぁ、気分をさらに害させたかもしれない。
「あ、ごめんなさい、調子乗りま……」
「そーだけど、何?悪い?俺、彼氏だよね?ヤキモチの1つや2つ焼いて何が悪いの?ねぇ、」
こちらに身体ごと向けた由良先輩が、私の両頬をつまむ。