由良先輩はふしだら
「はひっ、何も悪く、ありませんっ、」
「……ほんっと、ダサいじゃん。俺ばっか好きみたいで……」
「……っ、」
こんな言葉を、あの憧れだった先輩に、言ってもらえる日が来るなんて。
胸がキュン、キュンと何度も締め付けられて苦しいぐらいに。
「あっち行っても、ほんっとずっと美子のことばっかで。何見ても食べても、あぁ、美子と来たかったなぁって、そればっかで……こんなこと言わせないでよまじで」
由良先輩はそういいながら、前髪を触って顔を隠すようなそぶりをしたけど。
赤くなった頬が、すぐに見えて。
本当にこの人が、目の前の彼が、学校一のモテ男で、かつて女の子を取っ替え引っ替えしてはあんなことやこんなことをした先輩なのだろうかと疑ってしまうほど。