由良先輩はふしだら


「いいよ、目、開けて」


そう促されうっすら開けて、手の方へと視線を落とす。


「わぁ!!綺麗〜〜っ!!」


「ふっ、長崎のお土産」


手に置かれたのは、ステンドグラスでできた、花のキーホルダーで。
光にかざすと、キラキラと輝いてすっごく綺麗。


「すっごい可愛いですっっ」


「ダリアの花だって」


「ダリア?」


「うん。9月の花。付き合った月、9月でしょ?だからダリアに」


「……っ、わ、そうなんですか」



淡いふわりとしたピンク色が、窓から差し込む光に照らされて、また少し色を変えて。


先輩が、記念月を覚えていて、そのことを修学旅行中に思い出しくれたこと。
それだけでもすごく嬉しくて。


こんなステキなお土産、いいのだろうか。


記念月の花のキーホルダーなんて。


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