由良先輩はふしだら


「うぅ〜〜大好きです、先輩。どうしましょう。どんどん好きになって止まることを知らないです〜!」


半泣きになりながら訴える。


こんなに幸せで、本当にいいのだろうか。


「喜んでくれて、何より」


先輩がそう言って、私の頭を撫でてから「それ、お揃いだから」と付け足して、おでこにキスを落とす。


っ?!


お、お、お揃い?!



「由良先輩とお揃いとかっ!ううぅ、もう、幸せすぎて死んじゃいます!」


「死なせないから。今度は2人で、どっか行こう」


「えっ、いいんですか?」


「俺が来年大学生になったら、車の免許とって、今よりももっと遠出できるようになるし。それこそ、旅館に泊まるとか」


「免許!!旅館っ!!」


興奮してそういうけど……。
そっか、あと4ヶ月で、由良先輩、卒業しちゃうんだよね。


あんまり考えないようにって思っていたけど、先輩本人からそう言われると、実感が湧いて寂しくなる。


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