由良先輩はふしだら


ミーハーだと言われれば、それは否定しないけど、


でも見るたびにどんどんかっこよく見えていくから、これはもうファンを通り越して恋の領域なんじゃないかと思っている。


「由良くーーん!」


女の子たちに声をかけられると、決まってベストスマイルで手を振るその仕草で、学校中のほとんどの女の子がきっと恋に落ちている。



「でも特定の子と付き合わないで、女の子取っ替え引っ替えしてるって有名な話じゃん。あ、ほら」


隣のこの人を除いて。


栞の声でまた先輩に目を向けると、由良先輩は女の子の肩に手を回して写真を撮っていた。


「彼女でもない子にあんなにベタベタするんだよ?もし付き合ったら不安でたまらないと思うけど」


栞は、由良先輩のことはかっこいいとは思うけど性格が受け付けないとよく言っている。


「うん…でも、かっこいいから」


「え〜そういうもん?」


「いいじゃん。見てるだけだもん」


そう。
見てるだけ。
そもそも私が由良先輩と付き合うなんて、ありえない話だし。



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