由良先輩はふしだら
こうやって遠くで眺めてる方が一番いい。
「告白とか、しないの?」
っ?!
散々、友達の好きな人を否定しておいてどの口がそんなこと言うんだ!
栞の発言に驚いて、ゆっくりと数回瞬きをする。
「こ、こ、告白なんて!無理無理!だいたい、由良先輩ファンクラブでは暗黙のルールだよ?彼女候補にはならないって」
「なんじゃそりゃ。って言うか、美子はそのファンクラブとやらに入っているのか。本当に実在してるのかどうかも危ういけど」
「いや…正式な入会届けを出したわけではないけど…心の中ではファンの中の1人であることは間違いない!」
「でも美子がどんなに心の中でそう唱えたって、由良先輩には美子の存在なんて知ってもらえないぞ〜」
ううっ!
痛いところを突いてきやがる!
さすが親友だ。
「だから!それでもいいの!みてるだけでイケメンは幸せを運んできてくれるんだから」
存在なんて知ってもらえなくてもいい。
こうやって、見てるだけで、
十分幸せだもん。