由良先輩はふしだら
『今日から一緒に帰ろうか』
お昼休み終わりのチャイムが鳴ったと同時に、スカートのポケットに入れていたスマホが震えて、由良先輩からのそんなメッセージが届いていた。
なんかの間違いかと思って目をこすって画面を見てみたけれど、やっぱり、 『今日から一緒に帰ろうか』なんて書いてある。
え、私が??由良先輩と??
みんなの由良先輩を独り占めして帰っちゃっていいの!?
申し訳ないという気持ちがありながらも、私の指は『嬉しいです!わかりましたっ』と画面をなぞっていて、本能は正直だと痛感する。
一緒に帰るってことは、少なからず、他の生徒たちにも見られるってことだよね?
もし、私みたいな地味でなんの取り柄もない女が由良先輩と付き合ってる、いや、一緒に帰ってるのさえ見られたら、それこそ、学校で生きていけなくなるんじゃないか。
いや、そもそも、周りの人たちが、私と由良先輩じゃああまりにも不釣り合いすぎて、何か事情があるんでしょと勝手に話を作り上げてくれそうだよね。
私はすぐに不安を取り払って、ウキウキしながら、スマホをポケットにしまった。