由良先輩はふしだら


「っ、由良先輩、すみません。やっぱり今度で大丈夫です、よく考えたらそんなに食べたくなかった気も……」


えへへへと笑いでごまかしながら、財布をカバンに戻す。


今月ピンチなのしっかり忘れていた。


大好きなアーティストがアルバムを出したり、栞と服を買いに行ったり、気付けば今月、残金126円。


あぁ。はっずかしいっ!!大好きな先輩の前で!!


「今度って……俺の口もう完全にクレープなんだけど」


「えっ、」


「美子ちゃん何がいいの?」


キッチンカーの横にある大きなメニュー板を見ながら、由良先輩がそう言う。


「えっ、えっ、先輩!そんな!申し訳ないです!」


「寄り道しようって言ったの俺からだし」


先輩はそう言うと、テクテクとキッチンカーの方ね向かっていく。


「あっ、ちょっ!」


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