由良先輩はふしだら


「うわ、ハト……」


先輩のボソッと呟かれたその声で、私は視線をクレープから公園の方へ向ける。


クレープを食べている私たちを囲むように、ハトが次から次へと集まっている。


うわぁ、これきっと、誰かが餌あげたりしちゃってるんだろうなぁ。
だから、食べ物を食べてる時にこんなに集まってくる。


「誰かがあげちゃってるんですよ。こういうの良くないですよね……!」


私はそう言ってベンチから立ち上がりながら、ハトを追い返すように、ハトの群れに向かって走る。


「ほら!ハトはハトのエサ食べな!」


そうすると、ハトがバタバタバタと一斉に飛んだり逃げたりして、私たちの周りからいなくなった。


ふぅ。


本当、勝手にあげられても、フン被害とかで困るのはここを利用する人たちや近所の家の人たちなんだからね!


「美子ちゃん、すごいね……」


「え?」

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