由良先輩はふしだら


「もう、どうにでもなれって、そんな気持ちで、美子の告白に返事をした」


「そう、だったんですか……」


きっと、こんな人に告白されたらどの女の子だって絶対断らないし好きになっちゃうだろう、そんな風に見えるのが由良先輩だったのに。


まさか、その先輩が振られていたなんて。
衝撃だ。


先輩の見えなかった部分が見えて少し嬉しくなっている自分もいる。


「由良先輩、好きな人がいたのに、私と付き合ってくれる前から、どうして他の子と付き合っていたんですか?」


私の告白をオーケーしてくれた理由はわかったけれど、そこも疑問だ。

年頃の男の人だから、やっぱり、そういう欲望は、どこかで発散してないといけないのかな。


「わかんない。学校で女の子から目立てば少なからず、彼女の目に止まるかなって。なんでもいいから俺のこと、見て欲しかった。まぁ結局、そんなのも無意味だったんだけど」


< 55 / 300 >

この作品をシェア

pagetop