由良先輩はふしだら

由良先輩の、好きな人への気持ちは、本物だ。
こんなに真剣で、真剣だからこそ、叶わないからこそ、もがいて必死になる。


由良先輩を振った女の子って、一体どんな人なんだろう。こんなに素敵な人に好きだって言われて嬉しくないはずがないのに。


「俺のこと、少し嫌になった？」


「えっ、？」


「あっ、いやぁ、なんか美子は今までの子と随分違うから。ちゃんと俺のこと知ってもらって改めて考え直した方がいいんじゃないかって」


何を言っているんだ。
何も考え直す事なんてない。


「私は！パシリでもなんでも、由良先輩に頼まれたらできる範囲、誠心誠意務めるつもりです！ 」


嫌になってなるものか。
それよりも、一途な先輩のことを知って余計好きが溢れるよ。
ちゃんと、話してくれたし、それだけで十分だ。


「ほんっと、変な子だね。美子は」


由良先輩はこちらから目線をそらしてそういうと、クレープを一口食べた。