由良先輩はふしだら
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「へー、あの国宝級イケメン由良先輩が失恋ねぇ〜」
翌日、図書室で行う自習時間。
私は、図書室のベランダに栞と2人で出てから、ベンチに座って、昨日由良先輩から聞いた話をする。
もう、栞には隠し事はなし。
それを自分の中でもしっかりと決めた。
「すごいよね、あの由良先輩を振るんだよ?」
「いや、っていうか」
栞が、ショートカットの髪を耳にかけて切り出す。
「ますます、由良先輩が美子を好きになる可能性が薄れるじゃん!本当に大丈夫なの?」
「いやぁ、そもそもそんな可能性初めからないし……」
「単純に、女の子が好きだからいろんな子と付き合ってたっていうのと、一途な恋が実らなくてその反動っていうのは、全然違うからね?美子、本当に大丈夫なの?」
「えっ、まぁ……」