由良先輩はふしだら

正直、昨日、由良先輩から好きな人がいたって話を聞いてちょっと胸のあたりは騒ついている。


きっと、まだその人のことが好きだから、あんな風に私にも触れてきたんだろうって。


昨日の由良先輩の話し方からして、諦めたって感じでもなさそうだし。


「今の話、何?」


っ?!


突然、上から聞き覚えのある声が降ってきたので顔を上げる。


「勝地?!」


「驚きすぎ」


「なに人の話盗み聞きしてるの?!」


びっくりして、少し大きな声でそう言ってしまう。


「別にたまたま聞いただけだし。自習のプリントの回収」


勝地にそう言われて、私と栞は『あっ』と思い出したように、横に置いていた2人分のプリントを勝地に手渡した。


「どーも。それで?小柴と広真先輩ってなんかあったの?」


勝地にバカにされたこともあって、私は、彼をギャフンと言わせるつもりで、先輩と付き合っていることだけを彼に打ち明けた。

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