由良先輩はふしだら

「ひ、引きました？あ、それとも、ちゃんと毒味した方がいいですか？！お口に合わなかったらすぐに私に返してもらって構わないので！」


おにぎりに具を詰めて、ラップの上から丁寧に握る、それぐらいしか今私にできることが思いつかなかった。


でも、やっぱり手作りなんて重かったかもしれない。にぎっただけだけど。


「ハハッ、返さないよ。もう貰ったから俺のもの。……ほんと、美子面白いね。育ち盛りって、これ以上身長伸びんの？俺」


ハハハッと再び笑った先輩は、おにぎりを巻いているラップを広げて「いただきます」と言って一口おにぎりを食べた。


あっ、食べた。


味……大丈夫だろうか。


不安になりながら、横目で由良先輩の反応を待った。