由良先輩はふしだら
美子からもらったおにぎりの2つ目もペロッと食べ終わり、持ってきていたペットボトルに入ったお茶で口の中を潤す。
隣の美子はまだお弁当を食べていて口元をもぐもぐさせていた。
愛菜と同い年な人生だったら、愛菜とこんな風に並んでお昼を過ごせたのかな、なんて。
「はっ、由良先輩食べるの早いですね!よく噛まないと体に悪いですよ!」
ふと、隣から、そんな声がする。
まったく、年下の女子高生だっていうのに、いうことがいちいちババくさい子だよ。
「ちゃんと噛んだよ。美子こそ遅すぎない?」
「うっ、だって……好きな人が、隣にいて、普通に食べられるわけないですよ……」
プイッと顔を晒しながらそう呟いた美子。
彼女のその赤くなった顔が、何故だか俺のスイッチを押した。