由良先輩はふしだら


「へ〜あんまり遅いと、俺が食べちゃうけど」


そう言ったタイミングで、美子がパクっと卵焼きを口にした。


「あ〜、卵焼き、食べたかったなぁ」


彼女をまっすぐ見つめたまま、わざとらしくボソッとつぶやく。


「えっ、早く言ってくださいよ!最後の一個、食べちゃいま────っ、」


動く彼女の口元を、唇で塞いで。


彼女の膝に置かれていた弁当箱を、2段上の階段に移動させ、彼女への距離をさらに縮める。


「ちょ、……由良っ、先輩っ……んっ」


話させる隙なんて与えないと言わんばかりに、彼女の少し力の入った手首を握りながら、何度も角度を変えて、キスをする。


そのたんびに、彼女の漏れた声や息が、さらに俺を煽って。


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