由良先輩はふしだら
今まで付き合った女の子たちはみんな、『由良広真とした』そんな事実が欲しかっただけの子ばっかりで。
そういう流れになればすぐに、目をトロンとさせて『早く来て』と俺を求める人たちばかりだったから、美子の反応に、少し戸惑ってしまう。
そもそも、自分のことを好きにならない男なんかに捧げたいなんて思うわけがないのか。普通。
俺だって、無理やりなんて好きじゃない。
「びっくりさせてごめんね。大丈夫。美子のペースでいいから」
そう言って、頭を優しく撫でてあげると、美子は「すみません、ありがとうございます」とペコっと頭を下げた。
俺が悪いのに、そんな風に謝られると、ますます罪悪感が生まれるじゃん。
なんだか美子に悪いと思った俺は、美子が弁当を食べ終わるまで、隣で昼寝を始めた。
きっと彼女もその方が俺に気を使わないで落ち着いて食事の続きを再開できるはずだから。