由良先輩はふしだら


確か、中学の頃問題ばかり起こしていた不良だって。今はそんな不良要素はないけれど、目つきや歩き方がどうもそれを物語っているとか……。


「日高 宙です。広真から話は聞いてるよ。よろしくね美子ちゃん」


っ?!


噂の中の日高先輩を勝手にイメージしていると、目を細めて、日高先輩が笑った。


なんだ……みんな怖いとか元不良とか言ってたけど、いい人そうじゃん。


「あ、小柴 美子です。こっちは親友の近藤 栞です」


そう言って、私の隣に立つ栞のことを紹介すると、栞はペコっと頭だけ軽く下げて「どうも」と言った。


「美子ちゃんも大変だよね、広真に振り回されてさ」


笑顔を崩さずそう言った日高先輩に、由良先輩が「うるさい」と言い返す。


「突然お邪魔してごめんね。じゃあ、またお昼に」

由良先輩はそう言って私の頭にポンと手を置いてから、黄色い声がする人だからの方へと戻って行った。

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