由良先輩はふしだら


「うわぁ、こりゃ大変だな美子」


「え?」


2人の背中を目で追っていた栞が、ボソッとつぶやいたので聞き返す。


「今、周りには、美子と先輩が正式に付き合ったことが知られたわけでしょ?そうなったら───」


「小柴さん!由良先輩と付き合ってるの?!」


「ねぇ、いつから?!」


「告白は、もちろん小柴さんからなんだよね?!」


栞の声は、見事に、さっきまで由良先輩たちを囲んでいた女の子たちに遮られて、私はあっという間に女の子たちに囲まれる。


大変って……これか……。


私は、戸惑いながらも、答えられる範囲で、みんなに由良先輩との話をした。


もちろん、由良先輩が失恋したことや、先輩が私のこと好きにはならないという話はなしで。

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