由良先輩はふしだら


美子にキスしながら、触れながら、やっぱり思い出すのは愛菜のことで。


自分がそうなるたんびに、俺はまだまだ彼女のことが好きでしょうがないことを改めて再確認してしまう。


正直、振られた今の方が、愛菜のことを考えている気がするし。


「じゃあなに、広真はずっと、あの人だけを想って生きるつもりなの?」


宙の言ってることはよくわかっている。俺のために言ってくれていることも。だけど、こんな気持ちになったことないお前になにがわかるんだって思う。


「別に……こんなこと言われるために、会わせたつもりじゃないんだけど」


『パソコン室って1年棟だよね。広真、彼女のこと紹介してよ』


宙がしつこくそう言うから、仕方なく会わせてやったのに。


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