由良先輩はふしだら

《side 美子》


「おはよー、美子!」


「あ、おはよう栞」


翌日の朝、靴箱で栞に会い挨拶する。


「昨日大変だったね〜」


「んー、今日はもう囲まれたりしなきゃいいんだけど……」


昨日、由良先輩が教室に来てからと言うもの、クラスメイトの質問攻めだけでなく、


他のクラスの女の子からも色々と聞かれたり、教室の外を出れば、通り過ぎる人全員がこちらを見ていたりととにかく大変だったのだ。


「一緒にいるだけだった私もクタクタだったのに、美子も疲れたでしょ」


栞はそう言った後に「人気者の彼女って大変ねぇ〜」と漏らした。



「あの、小柴 美子さん?」


っ!!


突然、後ろから名前を呼ばれ、靴箱から出した上履きを慌てて床に置いてから振り返る。


「は、はい……小柴、ですが」


そう言って正面の人物に目をやると、そこには、女の子が5、6人、立っていた。


上履きのラインが青なので、きっと3年生。


「ちょっと話あるんだけどいいかな?」


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