HARUKA~愛~
母が入院して私の誕生日パーティーはささやかに病室で行われた。
「お誕生日おめでとう、晴香」
母に頭を優しく撫でられ、母が入院してからというもの、ずっと張り詰めていた気持ちが少し解かれた気がした。
父が予約してくれていたバースデーケーキには真っ赤な苺がたくさん乗っていた。
私は真っ赤な苺を前にして目を激しくしばたかせ、ケーキ入刀の瞬間を待ちわびていた。
「あら、そういえば、包丁無いわね。確か果物ナイフはナースステーションにあったはず…。晴香、借りてきて。…って、まあ!!」
私は待ちきれなくなってホールケーキにかぶりついた。
まるごと食べられるなんて、まるでお姫様みたい…。
こんな贅沢な食べ方をしたのは初めてだったから、私は幸せな気分に浸った。
「全く、ダメじゃない!」
怒り心頭だったのか、我慢ならず、母は人工呼吸器を外して私を叱った。
―――――と、その時だった。
「晴香、ハッピーバースデー!!」
四角い純白の箱を抱えて玄希くんは登場した。
私がホールケーキにかぶりついているのを見て驚き、しばらく放心状態だった。
目だとい私は玄希くんの腕の中の白い箱を見逃さなかった。
「それ、なあに?」
「これ?…これは…その…」
「もしかして…ケーキ?」
玄希くんはウンウンと首を縦に振った。
「でも晴香、そんなに食べられないし…」
「ううん、食べるよ!ケーキ大好きだもん!」
ケーキの箱を奪い取り、中身を取り出すと私は一気にかぶりついた。
濃厚だけど甘すぎないチョコレートケーキに私の心は100パーセント満たされた。
「晴香、やっぱりよく食べるよね。でも食べ過ぎると虫歯になるから気をつけてね」
「虫歯になったこと無いから大丈夫!私、ならない自信満々だよ!」
そしてやはり虫歯になどならなかった。
しかし、体脂肪はこの結果を顕著に反映していた。
「お誕生日おめでとう、晴香」
母に頭を優しく撫でられ、母が入院してからというもの、ずっと張り詰めていた気持ちが少し解かれた気がした。
父が予約してくれていたバースデーケーキには真っ赤な苺がたくさん乗っていた。
私は真っ赤な苺を前にして目を激しくしばたかせ、ケーキ入刀の瞬間を待ちわびていた。
「あら、そういえば、包丁無いわね。確か果物ナイフはナースステーションにあったはず…。晴香、借りてきて。…って、まあ!!」
私は待ちきれなくなってホールケーキにかぶりついた。
まるごと食べられるなんて、まるでお姫様みたい…。
こんな贅沢な食べ方をしたのは初めてだったから、私は幸せな気分に浸った。
「全く、ダメじゃない!」
怒り心頭だったのか、我慢ならず、母は人工呼吸器を外して私を叱った。
―――――と、その時だった。
「晴香、ハッピーバースデー!!」
四角い純白の箱を抱えて玄希くんは登場した。
私がホールケーキにかぶりついているのを見て驚き、しばらく放心状態だった。
目だとい私は玄希くんの腕の中の白い箱を見逃さなかった。
「それ、なあに?」
「これ?…これは…その…」
「もしかして…ケーキ?」
玄希くんはウンウンと首を縦に振った。
「でも晴香、そんなに食べられないし…」
「ううん、食べるよ!ケーキ大好きだもん!」
ケーキの箱を奪い取り、中身を取り出すと私は一気にかぶりついた。
濃厚だけど甘すぎないチョコレートケーキに私の心は100パーセント満たされた。
「晴香、やっぱりよく食べるよね。でも食べ過ぎると虫歯になるから気をつけてね」
「虫歯になったこと無いから大丈夫!私、ならない自信満々だよ!」
そしてやはり虫歯になどならなかった。
しかし、体脂肪はこの結果を顕著に反映していた。