HARUKA~愛~
そしてその時は訪れた。





中学校からの帰り道。

わざと通学路とは逆方向の、車の通りが多いところに私は向かった。

いつもと違う風景に目を奪われることもなく、ひたすら地面を見つめて歩き続けた。

耳に入ってくる車のエンジンの音が大きくなったら、私は車道に飛び出そうと考えていた。













お母さん…


もうすぐで私、行くからね。


今まで寂しかったでしょう?


私も寂しかったよ。


だからこれからは、一緒。


空に帰って星になるんだ…。













ブーーン、ブーーン、ブブーーン…。





スピードに乗ったワゴン車がやって来た。













さようなら…私。













ププーーーンッ!!













クラクションの音と共に私の体は宙を舞った。
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