HARUKA~愛~
「ここ…どこ?」
「晴香!!」
目覚めた私に見知らぬ男が抱きついて来た。
私は両腕で彼を突き放そうとしたが、骨折しているのか、テーピングされて動かせなかった。
されるがままにされていると看護師が入って来た。
どこかで見た顔だった。
「晴香ちゃん、ようやく意識が戻ったのね!」
「晴香が死んだらどうしようかと思いました。良かったです、生きててくれて。…あの、僕、そろそろ塾なので行きます」
「わかったわ。後は私に任せて。じゃあ気をつけて。受験勉強頑張るのよ!」
知らない男の子と見たことがある看護師…。
この2人が私とどう関係していたのだろう?
私は疑問を口にした。
「あの…、さっきの子、誰ですか?」
「えっ…?」
看護師はポカンと口を開けた。
思い出した。
この人は、母の後輩で私がよく迷惑をかけていた人だ。
私がナースステーションに不法侵入するとよくこんな顔をして私が注射器を持ち出そうとするのを何も言えずに見つめていた。
看護師は何に驚いたのか、裏返った声を出した。
「晴香ちゃん、もう一回言って…」
「あの人は誰ですか?私に妙に馴れ馴れしいんですけど」
「晴香ちゃん…嘘よね?」
「何がですか?」
イライラした。
私が嘘をつけるはずが無い。
まだ目覚めて数分なのに、そんな嘘をつけるほど頭は回転していない。
「本当に分からない?」
「分かりません!誰なんですか、あの人?パーソナルスペースにズケズケ入ってくるなんて非常識です!侵入禁止にして下さい!」
看護師は慌てて私の病室から出て行った。
翌日私は脳のレントゲンを撮られ、事故のことや家族構成、友達や学校のことなどを質問された。
過去のことはほとんど母とのエピソードだと言い、思い出したくないし、深く話したくないと語った。
現在の学校生活はまずまずだと言ってクラスメートから全無視されていることは言わなかった。
総合的な判断により、医者は私にこう告げた。
「蒼井晴香さん。あなたは記憶喪失です」
「晴香!!」
目覚めた私に見知らぬ男が抱きついて来た。
私は両腕で彼を突き放そうとしたが、骨折しているのか、テーピングされて動かせなかった。
されるがままにされていると看護師が入って来た。
どこかで見た顔だった。
「晴香ちゃん、ようやく意識が戻ったのね!」
「晴香が死んだらどうしようかと思いました。良かったです、生きててくれて。…あの、僕、そろそろ塾なので行きます」
「わかったわ。後は私に任せて。じゃあ気をつけて。受験勉強頑張るのよ!」
知らない男の子と見たことがある看護師…。
この2人が私とどう関係していたのだろう?
私は疑問を口にした。
「あの…、さっきの子、誰ですか?」
「えっ…?」
看護師はポカンと口を開けた。
思い出した。
この人は、母の後輩で私がよく迷惑をかけていた人だ。
私がナースステーションに不法侵入するとよくこんな顔をして私が注射器を持ち出そうとするのを何も言えずに見つめていた。
看護師は何に驚いたのか、裏返った声を出した。
「晴香ちゃん、もう一回言って…」
「あの人は誰ですか?私に妙に馴れ馴れしいんですけど」
「晴香ちゃん…嘘よね?」
「何がですか?」
イライラした。
私が嘘をつけるはずが無い。
まだ目覚めて数分なのに、そんな嘘をつけるほど頭は回転していない。
「本当に分からない?」
「分かりません!誰なんですか、あの人?パーソナルスペースにズケズケ入ってくるなんて非常識です!侵入禁止にして下さい!」
看護師は慌てて私の病室から出て行った。
翌日私は脳のレントゲンを撮られ、事故のことや家族構成、友達や学校のことなどを質問された。
過去のことはほとんど母とのエピソードだと言い、思い出したくないし、深く話したくないと語った。
現在の学校生活はまずまずだと言ってクラスメートから全無視されていることは言わなかった。
総合的な判断により、医者は私にこう告げた。
「蒼井晴香さん。あなたは記憶喪失です」