HARUKA~愛~
「ハル、この問題、計算間違ってる。まずここは、一旦モルに直して…」


遥奏の教え方は格別に上手い。

すんなり頭に吸収されるし、きちんと記憶される。

遥奏が先生に向いているなぁと思うのはこういう時だ。


「遥奏、ありがとう。私、そろそろ時間だから行くね」


時計を見ると、6時を少し過ぎていた。

急がないとバイトに間に合わなくなりそうだったから、別れの挨拶もそこそこに図書室を後にした。
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