HARUKA~愛~
第1章 高3の春 再会
今日も春の爽やかな風が吹いている。
私の最初の席は小学校に入ってから、ずっと変わらない。
1番廊下側に近く、出入り口の約1メートル後方。
蒼井晴香。
五十音順では未だ負けなし。
無敵の苗字だと自負している。
私の後ろには、私の人生初のカレシであり、運命の人である阿部遥奏が座っている。
思い返せば、1年前と同じ席だけど、ほとんど彼は私の後ろにいなかった。
今こうして前後で座っていられることが不思議で、そして幸せに感じる。
遥奏が分からないことがあればすぐに答えてあげられるし、私も遥奏を思う存分頼ることが出来る、とっても便利な席だ。
昼休みになると、私と遥奏はほぼ同時に席を立つ。
バスケ部の昼練に向かうためだ。
阿吽の呼吸というもので、私が振り返ると必ず遥奏はひだまりのように微笑んでいる。
その間に入って来るのは、もちろん宙太くん。
毎日懲りずに私達を邪魔してくる。
やれやれ…と呆れながらも、宙太くんのことを必要としている私達は、彼を優しく迎え入れるのだ。
そして3人横並びになって蒸し暑い体育館を目指して笑い話をしながら歩いて行く。
私は今のこの雰囲気が好きで幸せで何も問題ない。
これ以上何も要らないし、このまま卒業して行ければ良いと思っている。
でも…
どうやらそうはいかないらしい。
私の知らない所で事態は進行していた。
私の最初の席は小学校に入ってから、ずっと変わらない。
1番廊下側に近く、出入り口の約1メートル後方。
蒼井晴香。
五十音順では未だ負けなし。
無敵の苗字だと自負している。
私の後ろには、私の人生初のカレシであり、運命の人である阿部遥奏が座っている。
思い返せば、1年前と同じ席だけど、ほとんど彼は私の後ろにいなかった。
今こうして前後で座っていられることが不思議で、そして幸せに感じる。
遥奏が分からないことがあればすぐに答えてあげられるし、私も遥奏を思う存分頼ることが出来る、とっても便利な席だ。
昼休みになると、私と遥奏はほぼ同時に席を立つ。
バスケ部の昼練に向かうためだ。
阿吽の呼吸というもので、私が振り返ると必ず遥奏はひだまりのように微笑んでいる。
その間に入って来るのは、もちろん宙太くん。
毎日懲りずに私達を邪魔してくる。
やれやれ…と呆れながらも、宙太くんのことを必要としている私達は、彼を優しく迎え入れるのだ。
そして3人横並びになって蒸し暑い体育館を目指して笑い話をしながら歩いて行く。
私は今のこの雰囲気が好きで幸せで何も問題ない。
これ以上何も要らないし、このまま卒業して行ければ良いと思っている。
でも…
どうやらそうはいかないらしい。
私の知らない所で事態は進行していた。