HARUKA~愛~
小さな丸テーブルに色んな人からもらったプレゼントが置かれている。

遥奏からは自由の女神のキーホルダー、宙太くんからはお菓子の詰め合わせをもらった。
瑠衣ちゃんは女の子らしく、アメリカの国旗を手に持った、手乗りクマのぬいぐるみをくれた。

一気に気分がアメリカンになったけど、行っていないというのは変わらぬ事実で、これらを見る度に苦いこの経験を思い出すのかと思うと、心がぎゅうっと締め付けられる思いがした。





時計の針はちょうど0時を差していた。

図書室でやり残した数学の問題をやろうと参考書を取りだす。

コンビニで買って来たカリカリ梅を口に入れ、脳に刺激を送った。


見ないようにしていたが、ゴミを捨てる時、それは視界に入って来た。

英語で書かれた新聞柄の小さめの紙袋はどのお土産よりも存在感がある。
だからこそ、開けるのに躊躇した。

誰からのお土産なのかわからない。


ただ一つ言えることは、同一人物が送り続けているということ。


案の定今回も機械的な文字でメッセージが羅列されていた。







蒼井晴香様

あなたにどうしても見てもらいたい景色があって写真を撮っていたら、かなりの枚数になりました。

その他にも色々撮ってしまったので手作り写真集にしました。

見てくれると嬉しいです。







いつもの便箋には、そう文字が連なっていた。





私はアメリカ仕様に飾られたフォトアルバムを手に取り、ゆっくりと表紙をめくった。
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