HARUKA~愛~
父は再婚する。
いつ、どのタイミングで愛の結晶がこの世に舞い降りて来たのかは知らないし、知りたくもないが、父は父になる。
17の娘を1人残して、自分だけが勝手に幸せになるのだ。
「きれいな人だよね。さすが、お父さん」
「晴香…許してくれるか?」
「許すも何も、お父さんのことはお父さんが決めなよ。私は何も言わないよ」
「ありがとう、晴香」
父は新しい妻になる美人女将からもらったであろうハンカチを目に当て、必死に涙を拭っていた。
バカ。
バカ…!
バカ…!!
お父さんのバカ!!!
本当はそう叫びたかった。
狼のように遠吠えしたかった。
思いっきりビンタしたかった。
包丁を突きつけてやりたかった。
どうして…
どうして、私は…
置いて行かれるの?
見失ったものを再び見つけるのは簡単なことじゃない。
そんなこと、わかってる。
ずっとずっとずーっと前から。
ねえ、どうしたら良い?
午前2時28分3秒。
1人蒸し暑いボロアパートに取り残された。
布団の中、声を押し殺して泣いた。
いつ、どのタイミングで愛の結晶がこの世に舞い降りて来たのかは知らないし、知りたくもないが、父は父になる。
17の娘を1人残して、自分だけが勝手に幸せになるのだ。
「きれいな人だよね。さすが、お父さん」
「晴香…許してくれるか?」
「許すも何も、お父さんのことはお父さんが決めなよ。私は何も言わないよ」
「ありがとう、晴香」
父は新しい妻になる美人女将からもらったであろうハンカチを目に当て、必死に涙を拭っていた。
バカ。
バカ…!
バカ…!!
お父さんのバカ!!!
本当はそう叫びたかった。
狼のように遠吠えしたかった。
思いっきりビンタしたかった。
包丁を突きつけてやりたかった。
どうして…
どうして、私は…
置いて行かれるの?
見失ったものを再び見つけるのは簡単なことじゃない。
そんなこと、わかってる。
ずっとずっとずーっと前から。
ねえ、どうしたら良い?
午前2時28分3秒。
1人蒸し暑いボロアパートに取り残された。
布団の中、声を押し殺して泣いた。