HARUKA~愛~
「やっぱアオハルって頼りがいあるよな~。宮部さんが頼っちゃうのも頷ける」

「そういう問題じゃないから。少しは可哀想だと思ってよ」

「う~ん、思えないなあ。アオハルはアオハルだから。な、イッシーもそう思うだろ?」


私のフォローをまるでしない宙太くんをギロリと睨み付けてやった。

今日は遥奏が不在だから思う存分しばいてやる。
いつもいつも、私のことバカにし過ぎだ。

たまには宙太くんには痛い目にあってもらわないと割に合わない。

宙太くんと火花を散らして視線をぶつけあっていると、呑気な声が耳を通過した。


「はるちゃんは、宙太くんが思ってるほど強く無いよぉ。はるちゃんは、スッゴく繊細だと思う」

「そっかあ?俺には繊細には見えないけど。けっこう遥奏にもグイグイ行くし」 

「遥奏くんは特別だからだよぉ。おれには素っ気ないよぉ」


っていうか、この2人、いつの間にこんなに仲良くなったの?

私の知らないところで勝手に糸を絡めないで欲しい。
解くのには絡めた時間の何倍、いや何十倍もの時間がかかるんだから。


強烈な2人と距離を取ろうと大型カートに力を入れると、商品棚にガツンと当たってあらゆる種類の紙コップが散乱した。


「何やってんだよ!?やっぱアオハルはアオハルでしか無いな~。仕方ない、俺たちも手伝ってやるよ」

「はるちゃんの用事が済んだらお茶しよぉ。このショッピングモールの中に美味しい店入ってるんだぁ」

「マジか!?そりゃあ楽しみだな!よし、頑張ろう!」
 

楽しみ?

宙太くん、あなたはまだ何も知らないんだね。

私には予想できるんだ。

あと数十分後に見るであろうものが…。




だから…


今すぐ私から離れて!!













残念ながらその願いは叶わない。
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