HARUKA~愛~
晴香へ


晴香、お元気ですか?

これを読んでくれているのは一体何歳の晴香なんでしょう?

私がこの世にいないことを認める心の準備が出来たんですね。

偉いよ、晴香。

私は最近、晴香に怒ってばかりいたと思います。

だから誉めるのが久しぶりで、なんだか照れくさいです。

晴香に厳しくしていたのは、晴香に立派な大人になって欲しかったからです。

立派な大人とは一言で言ってもその定義は、人それぞれです。

私は晴香に自分の定義を押し付けるつもりはありません。

ただし1つだけ約束して下さい。


今を精一杯生きること。


“今”に盲目になってはいけません。

過去があって今に至り、今があって未来に繋がります。

今を精一杯生きることは過去の自分を変えることです。

過去の自分も自分の一部ですが、日々変化します。

好きなものが嫌いになったり、嫌いなものが好きになったり、様々に移り変わっていきます。

その心に従って下さい。

変わることを恐れないで下さい。


だって、晴香は晴香。

あなたはあなたで、根っこは変わらないから。

晴香に備わった本質は変わることはありません。

変わった部分は新たな晴香。

その変わった部分を受け入れてあげてください。

そして磨いてあげてください。

磨いたら、今度は未来に繋がります。

磨いた部分は角が取れて丸みを帯び、美しい光沢を持ちます。

光っている部分は晴香自身が作り上げた未来への希望です。

どんどん磨いて晴香だけの特別な石にして下さい。

柔らかくて尖っておらず、きっと晴香らしい色をしているはずです。

晴香が“今”を生きて“未来”へと羽ばたいていけることを空からずっと見守っています。



最後に、晴香に直接言えなかった時のことも考えて、今ここに記しておきます。


晴香、私の子供に産まれて来てくれてありがとう。

あなたをずっと愛しています。

晴香を愛してくれる大切な人に巡り会えることを祈っています。


また、いつか会いましょう。



           晴香を愛する母より
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