優しい悪魔に溺愛されてます
似合っている、うん、すごく。

自分に似合うって今までなかったけれど、これならよく分かる。
自分のために作られたって言われたらかなり大袈裟だけど、とりあえず何か嬉しい。

[とても、お似合いですね
じゃあ髪を整えますから、こちらに]

またしてもリプさんに手を引かれて、つれてこられたのは、化粧台の前へしかも造りが無駄に豪華。

椅子に腰かけると、リプさんが丁寧に髪をといていく。
ぼーっと鏡に写る自分を見ている。
そうこうしているうちに、リプさんに肩を叩かれる。

鏡に写るリプさんと目が合う。
少し心配顔。

[病み上がりですけど大丈夫ですか?
外に出るのは止められますか?]

そう聞かれて、ふるふると首を振ってみせるとリプさんは、心配顔のまま少し微笑んで、

[無理はしないでくださいね]

と、一言。


そんな話をしていると

コンコンとドアがノックされた。
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