魁桜〜愛の彼方に見えるもの〜
「えっ裕二さんこんなに可愛い彼方の相手してあげないの?」
私がそう言うと、裕二さんはウッ……!とつまった。
裕「いや……だってお前ら2人最近だいぶ強えじゃん。俺ら相手するって言うよりガチで喧嘩してるようなもんだから」
彼「じゃあなおさら!僕、裕二さんに勝ってみたいですもん!あと少しなんでしょ?」
彼方は裕二さんに絡みついて離さない。
裕二さんは、はぁ……とため息をついて諦めた表情で言った。
裕「わーったよ。このあと、しなきゃいけねぇことがあるから今じゃなくてもいいか?」
彼「やったぁ!ありがとうございます!!」
毎日来たいときにここに来て、騒いでふざけて帰りたくなったら帰る。
下っ端は特に仕事もない。
私と彼方の周りは常に平和だった。
私たちはまだ中1。
戦闘にも立たせてもらえないお荷物。
そんな私たちを拾って、家に居候させてくれたのは、悠馬だった。
それ以来、毎日構ってくれる。
今はお荷物でも、いつかは力になりたい。
そう思いながら喧嘩に励む日々だ。