人魚姫

再開

1年が経った…
私はまたこの場所にくる
もしかしたら、もしかすると
そんな淡い期待を持ちながら
それでも、やっぱり会えない…


「瑠夏…」

「呼んだ?」

えっ?今の声

「る、か…?」

「だから、なぁに?」

嘘、だって瑠夏はもう

「僕、生きてるからね?」

「嘘だ、だってあの時は触れなかったもの」

瑠夏が手を引っ張るから
瑠夏に倒れ込んでしまう…

転ぶ!?
ふわっ…

「ほら、ね?こうやって抱きしめられるんだよ」

「っ、ほんとに…瑠夏なの?」

「さっきからそう言ってるのに…
もう、馬鹿だな歌音は」

「瑠夏…瑠夏!ずっと、ずっと会いたかった!」

諦めきれなくて…
だから毎日ここにきた

「うん…待たせてごめん、ごめんね」

瑠夏、瑠夏が居る

「ねぇ歌音、また歌ってよ」

「こえ、ふるえて、うた、えないよ」

「もう、しょうがないなぁ…
まぁ、いっかこれからまた一緒にいれるんだし」
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