スクリーン
あずきが、にやにやしながら問う
『先輩とは、どこまでいったん?』
『なんでそんなことあずきに話さなきゃならんねん。話さへんで』
『おそくなってごめぇ~ん。』
遠くから息をきらして走ってきたのは、三日月(みかづき)だ。田中三日月、美人でクラスのマドンナだ。
『で、先輩ときのう一緒に帰ってたでしょ。二人は、どこまでいってるの?』
『話さへんで』つんつん、だいずは答える。顔を赤らめ恥ずかしそうにすねている。
あずきとだいずは、関西弁を使う。この学校は、大阪市にある。三日月は、東京から転校してきた。
3人でたわいのない話をしていると、三日月だけ標準語なので、なんだか違和感がある。
でもあずきもだいずも、三日月、本人 さえも気にしていないことだ。