広い世界の片隅で...
タイトル未編集
私の名前は「桜木 ハル」春に産まれたからこの名前。そのまんまだよね…
私は、他の人達と違うことがある。
それは...口で話せないのだ。
14歳までは他の人達と同じように話せていた。だけど、両親が交通事故で死んでからは一言も話せなくなった。医者はショックのせいだろうと言う。私なりに話そうとしているのだが声が出ない。4年間経った今でも話せないままだ...
たくさんいた友達も私から離れていった。
(はぁ、そろそろ学校の時間か...)
今日は、高校生活の最後の1年が始まる日だ。誰もいない家に向かって心の中で行ってきますを言った。
キーンコーンカーンコーン
ガラッ
「席につけー。」
ドアを開けて入ってきたのは担任の三島先生だ。若くてイケメンなので周りの子から人気がある先生だ。私の事情も知っているので相談にものってくれる。声が出せないのでノートに書く形だけどね…。
「今日は、転校生を紹介する...おい、入って来ていいぞ。」
ガラッ
「今日からこの学校に転校してきた
秋月 巴です。中途半端なんだけど
よろしくね。」
みんなは、、、目がハートだ。
少し茶色がかかった髪は綺麗に整えてあり制服をさり気なく着崩しているのもカッコイイ。顔が小さく、身長も高い。うん...あれだ、漫画の中から飛び出してきたような人だ。
「席は...桜木の隣だな。1番後ろの窓際の子だ。」
秋月くんがこっちに歩いてくる。
「よろしくね。えーっと...桜木さん?隣同士だし、たくさん話そうね。」
スーッ
私はノートを差し出した。
『桜木 ハルです。好きなようにお呼び下さい。これからも、よろしくね。』
チラッと私は、ノートを出しながら
秋月くんの顔を見てみる...。
「うん!よろしくね。ハル!」
私は、息を飲んだ。今までに無い反応だからだ。
『なんで?なんで、何も聞かないの?私、話せてないんだよ?どうして、どうして笑顔で話してくれるの?』
「わっ、質問攻めだな。ハハッ。えっとねー。気になるよ?なんで話せないの?とか色々さ。でも、あんまり聞いて欲しくなさそうだったからさ、ハルが言える日まで待とうかなって。」
私は、嬉しかった。
『ありがとう。』
何年も言えなかった言葉を私は、ノートを通じて言うことが出来た。
キーンコーンカーンコーン
3限目が終わり、休み時間になった。
私は秋月くんに学校を案内していた。
『あっちが、体育館です。それで、あっちが理科室で...』
(ふぅ、いっぱい書きすぎて手が疲れちゃった。)
「ごめんね。いっぱいまわったから手も疲れちゃったでしょ。お礼に今日の放課後、時間があったら一緒にどこかに行かない?」
ガリッガリッ
『行きます!行きたいです!!』
私は、急いで書いた。
「ハハッ。即答だな。じゃあ、放課後までにどこに行きたいのか考えておけよ。ハル。」
秋月くんはそう言って笑ったので私もついつい笑ってしまった。
秋月くんは、顔を真っ赤にしてどこかに行ってしまった。
(私、なんかした?ハッ...もしかして私の笑った顔ってキモイ?)
私は、ショックを受けながら行きたい場所を考えた。
放課後。
「ハル、帰ろーぜ。てゆーか行きたい場所決まった?」
秋月くんがバックを持って私に話しかけてくれる。
私は、頷いた...
「よし、行くか。」
「秋月くーん!今日、予定ある?」
女子が秋月くんに話しかけてきた。
(確か...えーっと。田所 めいさんと皆川夢乃さんだっけ...)
2人共、クラス内では目立つ人だ。
「今日の放課後、秋月くんの歓迎会をやろうと思うんだけど...もしかして、桜木さんと予定ある?」
「あー。今日、学校を案内してくれたお礼にどこかに行こうとしてたんだよね。だから、ごめんね。」
「えーっ!言ってくれれば私達が案内したのに!」
「ハハッ。ありがとう。でも、今日は、ハルと予定があるから。」
「じゃあさ!桜木さんも一緒に歓迎会しない?みんなと交流を深めるためにさ!どう?」
(えっ、どーしよ。)
私は、チラッと秋月くんの方を見る。
「どーする?ハルが行くんだったら俺も行くよ。お礼は、また今度にしてさ。ハルも、みんなと交流を深めたいだろ?」
確かに交流を深めたいのは事実。
でも、私が話せないことをみんなは知らない...
(でも、ここで行かないとみんなと仲良くなんて無理だよね...)
『うん。行きます!』
私は、ノートを見せた。
一瞬、田所さんと皆川さんは驚いてたけど笑顔になった。
「よし!桜木さんも行くことになったから...みんなー!!今日はカラオケじゃなくてファミレスにしよー!ご飯を食べながらさ!」
皆川さんがみんなに言った。
「あのさ、桜木さんってもしかして話せない?」
田所さんが私に聞いてきた。
私は、頷く。
「多分...夢乃は気づいたんだよ。私も深くは聞かないから安心してね!」
(私のことを気遣ってくれたんだ。)
『ありがとう。田所さん、皆川さん』
「夢乃でいいよ!ハル!」
「うんうん!私もハルって呼ぶからめいって呼んで!」
私は嬉しくて秋月くんを見て笑った。
「良かったな。ハル。友達2号と3号だな。」
その言葉にみんなで笑った。
(お母さん、お父さん...私、やっと友達ができたよ。いつか話せる日がくるといいな。)
私は、他の人達と違うことがある。
それは...口で話せないのだ。
14歳までは他の人達と同じように話せていた。だけど、両親が交通事故で死んでからは一言も話せなくなった。医者はショックのせいだろうと言う。私なりに話そうとしているのだが声が出ない。4年間経った今でも話せないままだ...
たくさんいた友達も私から離れていった。
(はぁ、そろそろ学校の時間か...)
今日は、高校生活の最後の1年が始まる日だ。誰もいない家に向かって心の中で行ってきますを言った。
キーンコーンカーンコーン
ガラッ
「席につけー。」
ドアを開けて入ってきたのは担任の三島先生だ。若くてイケメンなので周りの子から人気がある先生だ。私の事情も知っているので相談にものってくれる。声が出せないのでノートに書く形だけどね…。
「今日は、転校生を紹介する...おい、入って来ていいぞ。」
ガラッ
「今日からこの学校に転校してきた
秋月 巴です。中途半端なんだけど
よろしくね。」
みんなは、、、目がハートだ。
少し茶色がかかった髪は綺麗に整えてあり制服をさり気なく着崩しているのもカッコイイ。顔が小さく、身長も高い。うん...あれだ、漫画の中から飛び出してきたような人だ。
「席は...桜木の隣だな。1番後ろの窓際の子だ。」
秋月くんがこっちに歩いてくる。
「よろしくね。えーっと...桜木さん?隣同士だし、たくさん話そうね。」
スーッ
私はノートを差し出した。
『桜木 ハルです。好きなようにお呼び下さい。これからも、よろしくね。』
チラッと私は、ノートを出しながら
秋月くんの顔を見てみる...。
「うん!よろしくね。ハル!」
私は、息を飲んだ。今までに無い反応だからだ。
『なんで?なんで、何も聞かないの?私、話せてないんだよ?どうして、どうして笑顔で話してくれるの?』
「わっ、質問攻めだな。ハハッ。えっとねー。気になるよ?なんで話せないの?とか色々さ。でも、あんまり聞いて欲しくなさそうだったからさ、ハルが言える日まで待とうかなって。」
私は、嬉しかった。
『ありがとう。』
何年も言えなかった言葉を私は、ノートを通じて言うことが出来た。
キーンコーンカーンコーン
3限目が終わり、休み時間になった。
私は秋月くんに学校を案内していた。
『あっちが、体育館です。それで、あっちが理科室で...』
(ふぅ、いっぱい書きすぎて手が疲れちゃった。)
「ごめんね。いっぱいまわったから手も疲れちゃったでしょ。お礼に今日の放課後、時間があったら一緒にどこかに行かない?」
ガリッガリッ
『行きます!行きたいです!!』
私は、急いで書いた。
「ハハッ。即答だな。じゃあ、放課後までにどこに行きたいのか考えておけよ。ハル。」
秋月くんはそう言って笑ったので私もついつい笑ってしまった。
秋月くんは、顔を真っ赤にしてどこかに行ってしまった。
(私、なんかした?ハッ...もしかして私の笑った顔ってキモイ?)
私は、ショックを受けながら行きたい場所を考えた。
放課後。
「ハル、帰ろーぜ。てゆーか行きたい場所決まった?」
秋月くんがバックを持って私に話しかけてくれる。
私は、頷いた...
「よし、行くか。」
「秋月くーん!今日、予定ある?」
女子が秋月くんに話しかけてきた。
(確か...えーっと。田所 めいさんと皆川夢乃さんだっけ...)
2人共、クラス内では目立つ人だ。
「今日の放課後、秋月くんの歓迎会をやろうと思うんだけど...もしかして、桜木さんと予定ある?」
「あー。今日、学校を案内してくれたお礼にどこかに行こうとしてたんだよね。だから、ごめんね。」
「えーっ!言ってくれれば私達が案内したのに!」
「ハハッ。ありがとう。でも、今日は、ハルと予定があるから。」
「じゃあさ!桜木さんも一緒に歓迎会しない?みんなと交流を深めるためにさ!どう?」
(えっ、どーしよ。)
私は、チラッと秋月くんの方を見る。
「どーする?ハルが行くんだったら俺も行くよ。お礼は、また今度にしてさ。ハルも、みんなと交流を深めたいだろ?」
確かに交流を深めたいのは事実。
でも、私が話せないことをみんなは知らない...
(でも、ここで行かないとみんなと仲良くなんて無理だよね...)
『うん。行きます!』
私は、ノートを見せた。
一瞬、田所さんと皆川さんは驚いてたけど笑顔になった。
「よし!桜木さんも行くことになったから...みんなー!!今日はカラオケじゃなくてファミレスにしよー!ご飯を食べながらさ!」
皆川さんがみんなに言った。
「あのさ、桜木さんってもしかして話せない?」
田所さんが私に聞いてきた。
私は、頷く。
「多分...夢乃は気づいたんだよ。私も深くは聞かないから安心してね!」
(私のことを気遣ってくれたんだ。)
『ありがとう。田所さん、皆川さん』
「夢乃でいいよ!ハル!」
「うんうん!私もハルって呼ぶからめいって呼んで!」
私は嬉しくて秋月くんを見て笑った。
「良かったな。ハル。友達2号と3号だな。」
その言葉にみんなで笑った。
(お母さん、お父さん...私、やっと友達ができたよ。いつか話せる日がくるといいな。)
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