プレシャス~社長と偽りの蜜月~
「ねぇ、甘すぎない?」

「俺達、ようやく結婚したんだぞ。今は蜜月。それに東京に戻れば・・・」

私の記憶が戻るまでは二人で実家暮らし。
母や使用人達の目もあるし、甘い雰囲気に浸るコトは出来ないと思う。


「で、でも・・・」

雅人の性急な甘々に躊躇う私。

背中越しに伝わって来た雅人の温もりがなくなったかと思えば、突然抱き上げられた。


「ま、雅人!?」

「東京に戻ったら、朱音の実家が新居、俺も仕事が忙しいし、新婚気分は味わえない」

「それは分かってるけど」

「分かってるなら、何も言うなよ。俺に黙って抱かれろ」

雅人は命令形で言うと、上品な淡いブルーのベットスプレットの上に私を下ろす。

そして、上のポロシャツを脱いで上半身ヌードで起き上がろうとした私のカラダを押し倒すように組み敷いた。


「雅人・・・」

「俺は半年間我慢したんだ。この旅行で、その半年分を取り返す」

2日位で半年分取り返すのはさすがに無理があるし、私のカラダが持たない。



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