プレシャス～社長と偽りの蜜月～
夕食は小林夫妻と共に夜の海を眺めながらバーベキュー。
インスタ映えしそうな光景。

「何でバンダナなんて付けてんだ？」

着ている花柄のマキシ丈ワンピースとは似合わない色のバンダナ、雅人の目には不自然に見えたらしい。

「朱音さん、雅人さんに説明してあげたら？」

「奥さん、理由知ってるんですか？」

「知ってるも何もねぇ・・・」
奥さんは語尾を濁して缶ビールを飲む。

「外したら恥ずかしいもん」

「どうして？」

「どうしてって・・・雅人は本当に分からないの？」

「雅人さん、後で外してみれば分かるわよ」

「それよりも、雅人様、明日どうします？私は東京から来る友人達もサーフィンしますが」

「久し振りにサーフィンやりたい気分だけど、朱音が居るし、今回はパスします」

「二人はハネムーンに来てるんだから、二人の仲を邪魔するようなコトはしないの」


小林さんの奥さんってハッキリとした物言いをするタイプの女性だった。

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