プレシャス~社長と偽りの蜜月~
***
「朱音をこの腕の中に抱けるのは何ヵ月振りかな?」
彼と過ごした幾多の夜の記憶がないけど、雅人は何度も私を抱いた。
雅人の低い声音には甘さが溢れていた。
彼は私の腰を抱いてカラダを密着させて、顔を近づけて甘いキスを落とす。
神の御前で誓ったキスとは別の恋人が交わす濃厚な口づけ。
雅人の父親は結城家に仕えた執事で、彼は私の執事だったと言う。
私と雅人の年の差は8歳。
雅人は学業においては優秀で、後継者の居なかった知り合いの相良家が彼を養子にと切望し、彼は快く受け入れて、相良家の養子となり、私の世話役を辞めて邸宅を出て行った。
相良家の養子となった雅人は相良さんの期待に応えて会社に貢献し、亡くなった父の傾きかけた会社を立て直す為に自社の傘下に吸収するコトを相良さんに提案した。新会社を設立して自ら社長に就任し、彼は父の秘書だった私を秘書にした。
政略結婚と言えばそうだけど、『俺達は愛し合って結婚を誓った』と説明する。
私もそうでありたいと願う。
彼の尽くす愛は心地よかったから。
「朱音をこの腕の中に抱けるのは何ヵ月振りかな?」
彼と過ごした幾多の夜の記憶がないけど、雅人は何度も私を抱いた。
雅人の低い声音には甘さが溢れていた。
彼は私の腰を抱いてカラダを密着させて、顔を近づけて甘いキスを落とす。
神の御前で誓ったキスとは別の恋人が交わす濃厚な口づけ。
雅人の父親は結城家に仕えた執事で、彼は私の執事だったと言う。
私と雅人の年の差は8歳。
雅人は学業においては優秀で、後継者の居なかった知り合いの相良家が彼を養子にと切望し、彼は快く受け入れて、相良家の養子となり、私の世話役を辞めて邸宅を出て行った。
相良家の養子となった雅人は相良さんの期待に応えて会社に貢献し、亡くなった父の傾きかけた会社を立て直す為に自社の傘下に吸収するコトを相良さんに提案した。新会社を設立して自ら社長に就任し、彼は父の秘書だった私を秘書にした。
政略結婚と言えばそうだけど、『俺達は愛し合って結婚を誓った』と説明する。
私もそうでありたいと願う。
彼の尽くす愛は心地よかったから。