水晶の探偵
「で、今日は何枚ラブレターがあったの?」
美晴が前の席に座ってくる。
晶はため息混じりに3枚手紙を取り出した。
「3枚か…全部年下から?」
「…もちろん」
「じゃ、しょうがないね。
晶は年下や同姓から見たら相当かっこいいからな〜。
この際、そっち方向に走る??」
「美晴、ふざけないで」
少し怒った口調で晶が言うと、美晴が笑いながら謝った。
「全く…そうだ、今日の授業何?」
「国語・世界史・化学・数学・英語・日本史の6時間で〜す」
それを聞いて晶は少し考え込んだ。
そしてあっさりとこう言った。
「世界史、寝ちゃうな。うん」
「あのねぇ…」
最初から寝る気じゃダメじゃない――そう言おうとしたら、晶の携帯が震動した。
どうやら電話のようだ。
「もしもし?うん、何?…えっ、いつ…ってすぐじゃん!サツはなんて?…あ、一般の方から?…は!?事件じゃないじゃん!!引き受けたって…ちょっと!!もしも〜し!!…」
晶はため息をつきながら携帯をたたんだ。
「誰から??」
「守村。依頼だって。しかも…」
「しかも??」
「事件じゃなくて、人生相談」