躰全部が震えるキス

どのくらいの時間が経っただろう。

もっと先までして欲しい自分と、どうなってしまうか分からず止めたい自分。

「もっといい?」

そう聞いたタカノリへ、やっとの思いで、

「今日はここまでで」

と息も絶え絶えに、吐き出す。

彼の唇に、彼の手に、身を委ねてしまうのは簡単なこと。

だけど、そうしてしまったら、この震えに慣れてしまう気がする。

私は、まだまだずっとタカノリに惚れていたい。

だから私は、そっと躰を起こす。




少しだけ大人になった夏。

きっと私は、これからも、少しずつタカノリを知っていく。

その度に、全身を震わせながら、彼の色に染まっていくのだ。

私が体験した”躰全部が震えるキス”

その次は、何が待っているのだろう?

答えはまだ分からないけれど、想像以上のドキドキと、幸せが待っているに違いない。





【END】
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