躰全部が震えるキス

私が出した答えは、

「このままのプラトニックじゃダメ?」

という返事。

どかっと座り直しながら、

「えー」

そう言いながらも、タカノリは優しい顔で私を見つめる。

「アスミンがそう言うならしょうがない」

「ありがと」

半分納得いっていない顔。

ごめんね。

だけど今はまだ、次のステップへ進むなんて考えられそうにない。

もしあのまま唇が触れていたら、……その瞬間ショック死していたと思う。

そのくらい、私の中で恋心が強くなっていた。

一緒にいるだけで、こんなに胸がきゅうっと締め付けられるのに。

これ以上の関係になったら、自分が壊れてしまう予感しかなかった。



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