恋の人、愛の人。
…はぁ。
「…稜、ただいま…」
部屋に入り、私は真っ先にそう言った。
この部屋は稜と過ごした部屋。稜をちらっと思ったら、つい言ってしまっていた。別れてからただいまなんて、言った事は無かったのに…。
廊下の明かりを点けた。
ベッドに脱いだままだった部屋着に着替えた。
「…稜……さっきの、わざとかな…わざとじゃないんだけど、自然に年齢を聞いていたのよね。
全然あのタイミングで聞く事じゃなかったのにね。気がついたら声にしてた。それに、聞くとしても普通に聞けばいいのに、稜を引き合いにしてた…。聞いてたでしょ?稜。
もしかして、そうしたらいいって、稜が言わせたの?…そんな事ないね…稜のせいにしちゃいけないよね。
年齢の話、全然関係無い事だったし、今聞かなくてよかった事…。…あんな聞き方をしたら、部長は一気に冷めて冷静になる…」
解らない話よね。これは私が勝手に思っている事だから。言った理由も、考えた事も、私の気持ちからだと思うから。
「…稜、私…一人でいいかなって思ってる。確かに…一人になって寂しいって思う日だって、そう思ったら、ある…。今までだってあったし…、甘える事…、許してもらって生きていられてた部分もあるのは解ってる。だけど…今すぐ人をちゃんと好きになるのは難しい気がする…。そういう場面になったら避けようとする気持ちがある…。
別に、好きになるって…なったって構わないのにね…」
どんなに話し掛けたって返事は無いのが当たり前。自分の心で都合よく聞くしか出来ない。
言葉で返事が欲しいなら…生身の人間じゃないとって事…。
そうなのよね…稜…。
「…稜、ただいま…」
部屋に入り、私は真っ先にそう言った。
この部屋は稜と過ごした部屋。稜をちらっと思ったら、つい言ってしまっていた。別れてからただいまなんて、言った事は無かったのに…。
廊下の明かりを点けた。
ベッドに脱いだままだった部屋着に着替えた。
「…稜……さっきの、わざとかな…わざとじゃないんだけど、自然に年齢を聞いていたのよね。
全然あのタイミングで聞く事じゃなかったのにね。気がついたら声にしてた。それに、聞くとしても普通に聞けばいいのに、稜を引き合いにしてた…。聞いてたでしょ?稜。
もしかして、そうしたらいいって、稜が言わせたの?…そんな事ないね…稜のせいにしちゃいけないよね。
年齢の話、全然関係無い事だったし、今聞かなくてよかった事…。…あんな聞き方をしたら、部長は一気に冷めて冷静になる…」
解らない話よね。これは私が勝手に思っている事だから。言った理由も、考えた事も、私の気持ちからだと思うから。
「…稜、私…一人でいいかなって思ってる。確かに…一人になって寂しいって思う日だって、そう思ったら、ある…。今までだってあったし…、甘える事…、許してもらって生きていられてた部分もあるのは解ってる。だけど…今すぐ人をちゃんと好きになるのは難しい気がする…。そういう場面になったら避けようとする気持ちがある…。
別に、好きになるって…なったって構わないのにね…」
どんなに話し掛けたって返事は無いのが当たり前。自分の心で都合よく聞くしか出来ない。
言葉で返事が欲しいなら…生身の人間じゃないとって事…。
そうなのよね…稜…。