恋の人、愛の人。
(梨薫へ)
梨薫、君がこれを見る事があるだろうか。何も言ってないからな。消されたかもしれないなぁ。
もう会うことはないなんて、いきなりなんて酷い言葉を梨薫に残しているのか。酷過ぎて胸が苦しい。
往生際が悪くて一日一日とその日を延ばし続けた。だけどもう限界だ。ギリギリになった。梨薫に隠す事が難しくなったからだ。
梨薫…。俺は君の前からいなくなる。それは永遠にだ。俺は病気で死ぬ。進行が早くて、もう何も、手の施しようが無いんだ。結局、格好よく去れなかったな。こんなモノを残しているんだから。
だけどこれで、君の疑問は納得出来るモノに変わると思う。
黒埼透は俺の弟。晴海貴仁は俺の唯一無二の親友だ。梨薫の事を沢山話したせいでどうやら二人共、梨薫の事が好きみたいなんだ。俺はそんな二人が居てくれた事、妬けるけど嬉しいと思っているよ。
梨薫、二人は俺を思い出すようで苦しいかも知れないが、その気持ちも徐々に和らいでいくから。
梨薫は梨薫で自分の人生を大事に生きて欲しい。
俺も俺の人生を生きた。
梨薫、有り難う。それから、ごめん、だな。(稜)