キミに手を〜『好き』の二文字を言えるその日まで〜
『ほらー、美月にも好きな人いるんでしょ?』

『えー?まぁ...、うん...。えっと...』

『ねねっ。ならその好きな人も教えてよー』

『それはさすがに無理だよ~』

『相川はどう?美月まぁまぁ仲いいじゃん』

『まぁ、確かにほかの男子よりは仲いいけど...』

彼女の声が少し小さくなった。


『けど...?』

『相川は...、少し違うよ。私の好きな人は...』

さらに聞き耳を立てようとしたそのとき、

曲がり角の方から声が聞こえてきた。

その先を聞きたかったが
聞いているところを見られるわけにもいかず、

私は一旦その場を離れることにした。
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