【短編】弱った君が愛おしい
弱った君が愛おしい
「うわー!さくらまた告られたの?」
「ほんっとモテるよね〜」
「フフッ。ついにモテ期来ちゃったか〜」
ここで「そんなことないよ〜」って言う方が可愛くて女子力高いのかもしれないけど、素直に喜んじゃう私のニヤけた顔は直らない。
「たまたまだろ。そのニヤケ顔見たら誰だって幻滅する」
うっ、
「うるさいな!翔吾のバカ!」
隣の席で頬杖をついて悪意のある笑い方をしてる幼なじみに言い返す。
「バカにバカって言われたくないんですけど。つーか、振るとかどういう神経してんの?今回のチャンス逃したら、お前のこと好きになってくれるやつとか2度と現れねーよ」
ムカッムカッ!!
「仕方ないでしょ!全然知らない人だったし!」
「あんたたち本当仲良いね〜」
本当に腹立たしい幼なじみと言い合っていると、仲のいい子たちが楽しそうにそういった。
いや、これ誰が見たって全然仲良いように見えないから。
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