秘め恋
「これ……。もしかしてマサの裏アカ……? 真琴、どうやって見つけたの?」
「この前お客さんと話してたら、ツイッターでオススメされてた抹茶ラテがほしいって言われてさ。ツイッターって何のことですかーって訊いたらざっくり教えてくれて。気になって探してみたら、ね」
「私、マサと仲良くなる前、どうしたら店の客層が広げられるのかって悩んでたことがよくあって……。雑談というか場を持たせるための会話でもあったんだけど、まさか、そのことを気にしてマサはこんなことを……?」
「アオイのこと、ホントに好きなんだね。大抵の裏アカってボヤきとか自慢とか公には言いにくいことをつぶやくためのものだったりするのに。こういう裏アカも存在するんだね」
「……どうして? 私、マサにひどいことしてるのに」
寂しさを埋めるために甘えて、避けて、自分のことばかり優先していた。それなのにマサは、避けられ続けている間も店のために動いていた。そんな素振り、微塵も見せずに。
真琴は言った。
「お礼伝えるなら早い方がいいかもね」
「真琴、ごめん。少しだけここお願い。マサに電話してくる」
「いいよー。任せて」