秘め恋
やたら大きいビニールボートの空気入れを終えたマサとイクトの元へ、アオイとユミが戻ってきた。二人ともそれぞれに似合う水着に変身している。
男にとって女性の水着姿はただそれだけで目の保養になる。普段着とは別のまばゆい魅力があった。
「可愛いじゃん二人とも! ユミもアオイちゃんもいいね〜」
イクトが鼻の下を伸ばして二人の水着姿を褒めている横で、マサはアオイに目が釘付けになった。
視線の問題だけで言えば肌の露出が多いユミのビキニ姿の方が男としては喜ばしいのだろう。けれど、マサの目にはアオイの姿しか映らなかった。
アオイの身につけている淡いピンク色をしたシフォンフレアのトップスは彼女の肌の白さを艶やかに見せ、ぼかしフラワープリントのフレアスカートから伸びる足は健やかな色気をまとっている。
ピンクは魔性の色になりうるとマサは思った。女性をさらに美しく見せる効果がある。
アオイに視線を奪われたのは他の男も同じで、海水浴に来た通りすがりの男達がしきりにアオイの方を見ては卑猥な目つきでにやけている。
マサとイクトがそばにいるのでさすがにナンパはしてこないが、もしアオイとユミの二人きりだったら間違いなく声をかけられていただろう。
見るなよ!
マサは着てきた服を脱ぐと、あらかじめ下に着て来ていた海パン一枚の姿になった。
周囲の視線からアオイを隠すように、脱いだばかりの薄手の上着を彼女の肩に羽織らせる。